あたし÷俺様王子=禁断
『お兄ちゃーん、診断結果はどうだったのっ!?』



「大丈夫だよ。
心配かけてゴメンな。
骨には異常なくて、ただの打撲と擦り傷だってさ。
丈夫な身体に産んでくれた両親に感謝しなきゃだな」



『わぁー♪
良かったぁ♪♪
ねぇねぇ、お兄ちゃん、さっき変わった人……』



「ひな。
いきなり話が変わって悪いんだけどさ、あの王子様の事を待ち続けるのは止めにしたんだって?」



ちょっとちょっと、お兄ちゃん。
これからお兄ちゃんとのラブラブモードを満喫しようと思っていた矢先にそれ、聞いちゃいます??



お兄ちゃんもママに似てる所あるよね……



ラブラブモードをぶち壊す話題なんだから何とか話題を変える方向に持っていかなきゃ。



『う、うん。
あれはね、ちっちゃい頃に抱いた乙女チックな夢を追い続けていただけなの。
だからね、もう
「ちっちゃい頃のかわいい思い出」
それだけのお話。
それでね、お兄ちゃん、さっき大人の女の人なのに幼児口調でしゃべっている人がいたんだよぉ〜
あっ、いわゆる「妹萌え」
っていうヤツなのかなぁ〜
きっと演技でやっているよ……』



「ひな。
まだ俺は、ひなの王子様には、なれてはいないのか?」
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