あたし÷俺様王子=禁断
「あっ、ひなちゃん。
先に話して良いよ」



『うぅん。
ナミの方から話してイイよ』



「ありがとう。
瀬名さんの高校に行ってチョコを渡そうと思ったんだけど、瀬名さん、いつも女の子に囲まれているでしょ。
私が近付ける訳もないんだ。
それで、ちょっとズルイ考えだけど、お家に遊びに行って渡しちゃおうかなって。
ひなちゃんが瀬名さんの妹で本当に良かったぁ〜」



おおっ。
それは、グッドアイディアねっ♪



って、ダメダメダメ!!



親友との友情とお兄ちゃんの独占権。



どっちを取るかって、
それは迷わずお兄ちゃんっしょ。



「でも、いきなりお家に遊びに行くっていう図々しいお願いをして本当に迷惑だよね。
私ね、本当に瀬名さんの事が好きなの。
私みたいな女の子じゃ釣り合わない事は分かっているの。
でも、恋してる気持ちを伝えないと切なくて切なくて辛いの……」



う〜ん。
同じお兄ちゃんに恋してる女子としてナミのキモチを無視するワケにはいかないかな……



『あたしは、全然OKだよ〜
お兄ちゃんに日曜日に家にいるか聞いとくねぇ〜』



「良かったぁ〜
ひなちゃん〜
ありがとう♪」


『うん……』
< 43 / 226 >

この作品をシェア

pagetop