失われた時を求めて
「こんにちは」

ぼくは座るなり声をかけた

彼女は鬱陶しそうにぼくをみる

負けるな、俺!

ぼくは自分で自分を励ました

「あっ、あのさっ、」

ぼくは彼女にフリージアをあげた元カノの話や彼女に出会ったあの日のことを伝えた

彼女は黙ったまま、ぼくの話が終わっても黙ったままだった。

ぼくは沈黙が苦手だ。

すると彼女は

「なんだか…初めてお会いするのに、まるで友達みたいな感じでお話するんですね?」

と言った

ぼくは

「すみません」

と言った

なんでぼくは謝ったんだ?

心の中で思った

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