†Dragon Guardian†
「まずは壱加様の場所を
特定するのに、例の力を
使わせて頂きました」
「はぁっ!?この短期間で
透視まで出来んのかよ!?
あ、有り得ねぇ……」
「透視といってもかなり
断片的ですけどね。場所
の特定は、A班の皆さんが
してくださいました」
不躾なまでに大声を出す
壱加に対し、弥嘉は申し
訳程度にしか話すことが
出来なかった。
「じゃあなんでてめぇは
捕まってたんだよ?」
壱加は矢継ぎ早に質問を
彼女に投げかけた。
すると弥嘉は少し驚いた
顔をしたが、すぐに思い
出したのか話を続けた。
「捕まっていたわけじゃ
ないですよ?無理言って
他の守護者の方に車から
出されるところだけ犯人
役をやって頂きました」
「…………なんでまた」
「ドラゴンになりすまし
ておけば、少しでも犯人
達の動向が掴めると思い
まして……彼らは、なか
なか足取りがつかめない
ことで有名だったそうで
確実に全員捕らえるには
あの方法しかありません
でした。もし、何も用意
しないで一気に乗り込ん
だら、逃げられるか攻撃
されるのが火を見るより
明らかでしたから」
淡々と語る弥嘉に対して
彼は怒りを露わにした。
「下手したら殺されてた
かもしんねぇんだそ!?何
考えてんだてめぇは!!」
「ドラゴンになりすまし
ておけばまず殺されたり
しません。大事な売り物
ですからね……それに、
倉庫内には4人が待機して
くださったので安心して
囮役に励めました」
そう言って無邪気な笑顔
を向けられた壱加はただ
苦笑するしかなかった。