†Dragon Guardian†
「ほ……他に聞いておき
たい事はありますか?」
若干羞恥で赤くなった顔
を誤魔化すように弥嘉は
早口でまくし立てた。
それに気が付いたものの
事件への興味が先走った
壱加は暫し考える素振り
を見せた。
「そうだなぁ~さっきの
トイレ繋がりだが、何で
俺まで連れて行った?」
「――よく考えてみてく
ださい。あの時壱加様を
守る私の立場からして、
あの方々の元にみすみす
一人だけを放置出来たと
思いますか?」
「言われてみれば……」
弥嘉の尤も過ぎる意見に
彼は頷くしかなかった。
「あとは……ああ!!あの
ミーハー話は!?」
「――ミーハー?」
「ほら!!雑誌がどうとか
ドラマがどうとか」
「あ、あの話ですね?」
壱加の問いかけでやっと
思い出した弥嘉は段階を
追って説明しだした。
「そもそもあれは、既に
待機していた皆さん宛の
メッセージでした。犯人
側に気づかれずに情報を
伝えるにはあれしか考え
られませんでした」
「……そういうことか」
「はい。まず初めの話に
出てきた“齊”里みつき
“さん”は“齊山”で、
10月号は数だけを考えて
“10”、“ーNUMBERー”は
“人数”を表しますね。
また、相手役は“役”を
抜き取り“相手”、雑誌
は英語でmagazineですが
“倉庫”という別の意味
もあります。全て並び替
えてみますと?」
「――“相手は、齊山の
倉庫に10人いる”?」
「その通りです」
壱加が戸惑いながら導き
出した答えに弥嘉は穏や
かな口調で同意した。