†Dragon Guardian†

教室中が言いようもない
緊張感に包まれていた頃
それを打ち破るかの如く
豪快に扉が開かれた。




ガラガラガラーーーーー
ピシャーーーーーーーン




「はろ~ん♪今日も元気
かしら、あんた達!!まぁ
こんなに騒げるなら心配
いらないだろうけど!!」


女教師はこの場にそぐわ
ない程のハイテンション
ぶりと呑気さを、朝早く
から存分に発揮した。


「いよいよ3月に“あれ”
が行われるから、制服を
タンスの奥から引っ張り
出しておきなさいねっ!!
以上、HR終わり~♪」


彼女はそう言い終わるや
否や、早々に教室を後に
していた。

それを受けて教室全体が
どこか浮かれた雰囲気に
なっていった。


「……“あれ”とは?」


状況を理解出来なかった
弥嘉は2人の顔を見ながら
恐る恐る訊ねてみた。

すると、机に肘を突いて
いた翠がさも面倒臭そう
に答えた。


「“あれ”っていうのは
毎年3月末に行われる船上
パーティーのことよ……
時期が時期だけに卒業式
も兼ねているわね」


翠はその返答の最後に、
「本当に面倒臭いわ」と
付け加えて顔を歪めた。
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