†Dragon Guardian†
「すっ……すみません。
わざわざお伺いすること
でもありませんよね」
翠の様子を目の当たりに
した弥嘉は先程より益々
恐縮した。
「えっ、違うわよ?制服
着るのが嫌なだけ。あの
服だとデザインが悪くて
私の魅力の10分の1も引き
出してくれないのよね」
そう言い放って再び溜め
息をついた翠に対して、
弥嘉は苦笑を漏らした。
その後、ふと弥嘉はある
ことを思い出した。
「あ……あの、卒業式を
兼ねるということは」
彼女はそう呟くと、徐に
耀へ視線を動かした。
すると耀は頭を掻きつつ
ばつの悪そうに言った。
「何だかんだであと2ヶ月
で卒業かぁ……それ終わ
ったら、もう教室でヤヨ
達に会えなくなるな~」
それを聞いた途端弥嘉は
今にも泣き出しそうな顔
をして俯いた。
すると突然、耀は弥嘉の
頭を激しく掻き回した。
「――――!!!!!?????」
「まぁ、あたしも寂しい
けどさ折角のパーティー
なんだし、楽しもうよ!!
最後くらいヤヨ達の笑顔
見て卒業したいな☆」
「は……はいっ!!」
耀の太陽のような笑みを
眺め、弥嘉は次第に顔を
綻ばせていった。