†Dragon Guardian†
紗奈恵が静かになったと
同時に、弥嘉はすぐさま
壱加を連れ出した。
『つい先程まで、壱加を
信用なさっていたさなえ
ちゃんのあの変わり様は
不自然な気がしますね。
あの羽根と何か関係ある
のでしょうか?』
弥嘉は壱加の手を引いた
まま考えあぐねていると
突如彼が、物凄い形相で
弥嘉を睨み付けていた。
「また一人で溜め込みや
がって……俺はまだ何も
知らねぇんだけど!?」
「すっ、すみません」
「いちいち謝んな、面倒
くせぇ!!どうせてめぇの
ことだから、俺の主張を
唯鵜呑みにしたってわけ
じゃねぇんだろ!?」
「――決定打は、壱加の
目でしたけれども」
「御託はいらねぇから、
さっさと話せよ」
壱加の不機嫌さが頂点に
達しそうなことを悟り、
弥嘉はようやく観念して
口を開き始めた。
「まだ憶測の段階なので
何とも言えませんけど、
先程見た影の大きさから
推測すると、おそらくは
壱加と同年代かと」
「……いつ見たんだよ」
「真犯人探し宣言をする
より前ですかね?」
弥嘉があやふやに答えた
ところ壱加は盛大な溜め
息をついてみせた。