†Dragon Guardian†
『もう少し……あともう
少しですのにっ!!』
そう思いながら、弥嘉は
足跡と共に残された羽根
の気配を懸命に辿った。
すると、突然彼女の目に
外の様子が次々と映し出
されていった。
「――――!!!!!?????」
しかし目まぐるしい情報
速度に頭が追いつかず、
弥嘉はその場に倒れた。
「――弥嘉!?どうした!?
しっかりしろっ!!」
「だ……大丈夫です」
突然の出来事に慌てふた
めく壱加を、弥嘉は実に
穏やかな声で制止した。
『今見た光景を、壱加に
伝えなくては』
弥嘉は意識が飛びそうに
なるのを必死にこらえ、
徐に口を開いていった。
――漆黒の両翼
――風に揺らめく栗色の
ポニーテイル
――見渡す限りの海
――強き光を放つ満月
――闇色に染まりし空
――遠ざかる街の灯り
――甲板に一人佇む少女