†Dragon Guardian†
その様子を見て、弥嘉は
ようやく顔を綻ばせた。
「さなえちゃんならば、
絶対そう言ってくれると
信じていました」
「弥嘉……あんた、この
私を図ったわね!?」
彼女の意図に気が付いた
紗奈恵は鬼の形相で睨み
付けていた。
それにもかかわらず弥嘉
は終始笑顔を絶やすこと
はなかった。
―――正直疑いたくない
けれど……張本人じゃな
きゃこのタイミングで火
を消せなくない?―――
―――何か証拠でもある
のっ!?限りなく黒―――
―――なんでそこまで彼
を庇えるの?わざわざ泥
をかぶりにいくなんて、
お人好しすぎるわ―――
『やはり、思った通りの
反応でした。彼女はどこ
までいっても、“さなえ
ちゃん”のようです』
火災現場での言葉が一瞬
弥嘉の頭をよぎったが、
先程の彼女の態度を思い
出して再び上機嫌で歩を
進めていった。
一方それとは対照的に、
後の2人はそのような弥嘉
に僅かな疑念と憤慨の目
を向けていた。
彼女達の様子を満月だけ
が静かにそして穏やかに
見守っていた。