†Dragon Guardian†

パーティーの翌朝、弥嘉
は一人席について盛大な
溜め息を漏らした。


「はぁ……」

「辛気臭くて仕方がない
からいい加減やめて」

「相っ変わらず根が暗ぇ
奴だな、オイ!!半端なく
イライラするだけだから
一回その性格、どっかで
変えてこいよ!!」


一切情け容赦のない言葉
を次々と浴びせられた為
弥嘉は些か恨めしそうな
目を彼らに向けた。


「……いっぺんに責めな
いでくださいよ。いつの
間に、お二方はタッグを
組まれたのですか?」

「「弥嘉に図られて、結構
頭にきたから、つい!!」」

「――その件は大変申し
訳なく思っていますが、
それにしてもどこぞやの
犯人が殺害動機を述べる
ような口調で、さらりと
酷い事を言わないでもら
えますかね?」


紗奈恵と壱加のあっけら
かんとした物言いに益々
弥嘉は顔をしかめた後、
すぐに机に突っ伏した。




「……今度は、一体何に
落ち込んでるの?」


流石に弥嘉を不憫に感じ
紗奈恵は穏やかな口調で
彼女に問いかけた。

すると弥嘉は顔を上げ、
僅かに涙を滲ませながら
小さな声で呟いた。




「――耀さんの晴れ姿を
見ずしてお別れすること
になってしまいました」




そう言って俯いた弥嘉を
見て、ようやく納得した
紗奈恵は彼女の頭をしき
りに撫で続けていた。

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