†Dragon Guardian†
そのような考えなどつゆ
知らず、ようやく弥嘉は
落ち着きを取り戻した。
そしてすぐに彼女は心の
中で暗号を思い起こす。
一方壱加は再度紙に目を
通しながら間髪入れずに
文句をぶちまけた。
『……王……焚書……』
「だいたい、書物を焚く
って何世紀の話だ!?時代
錯誤もいいとこだろ!!」
『……眠れる、盾……』
「あと、眠れる盾!?人間
やドラゴンじゃねぇんだ
から有り得ねぇだろ!!」
『一筋の……蒼き、光』
「蒼い光なんか、今まで
見たことねぇけど!?……
って弥嘉?どうした?」
弥嘉の行動の変化によう
やく気が付いた壱加は、
思わず下から彼女の顔を
覗き込んだ。
するとそれとほぼ同時に
彼女は、自作のリストを
手に取るなりビリビリと
破き始めた。
それにより床一面はたち
どころに黒ずんだ紙切れ
で覆われていった。