†Dragon Guardian†
弥嘉の何気ない呟きと、
いきなりすぎる都の登場
に一同は唖然とした。
しかしながら、都はそれ
に構うことなく些か大袈
裟に手を振りつつ彼女ら
に駆け寄っていった。
「あや~弥嘉がおるぅ♪
えらい久しぶりやな!!」
「はっ……………はい」
「それにしても、おかん
が家に居て良かった~!!
んで、こちらさんは?」
見慣れない顔触れの存在
にようやく気が付いた都
は思わず首を傾げた。
すると突然壱加は青筋を
立て、彼女の双肩を掴む
なり激しく揺さぶった。
「“こちらさんは”じゃ
ねぇだろ!?てめぇ、あの
ふざけた手紙の内容どう
説明すんだよ!?あぁ!?」
「一応……ウチら……今
初めて……会うたよな?
何で……自分……そない
怒っとる……んや?」
「じゃかましい!!さっさ
と話さんか、ワレぇ!!」
「ちょ……相手は初対面
の女の子なのよ!?少しは
手加減しなさい!!」
すぐにでも意識が飛んで
いきそうな都を目の当た
りにした紗奈恵は、渾身
の力で彼を引っ剥がす。
「これが黙らずにいられ
るかっ!!人をおちょくる
のも大概にしやがれ!!」
「だから何なのよ、その
手紙ってのは……」
「あ~……これがさっき
から言うてたやつや」
紗奈恵の問いかけに若干
複雑そうな顔をしながら
女性はポケットから徐に
手紙を取り出した。
【Dear おとんとおかん
4/11(日)に家帰るから
絶対鍵開けといてな♪
忘れたらあかんよ~?
From 惨殺の魔女・都】
『……あまり詳しい事は
分からないけど、同情の
余地はありそうね』
3年来のやり取りの割には
あまりにも軽すぎる内容
を見るなり、彼女は尚も
暴挙に出ようとする壱加
にふと哀れみを覚えた。