†Dragon Guardian†
紗奈恵の制止が実質的に
弛んだため、再び壱加は
都に掴みかかった。
すると、突然弥嘉が両手
を伸ばして彼女らの間に
割って入ってきた。
「あの、都ちゃんが無事
に帰ってきてくだされば
それで宜しいので!!」
弥嘉が必死になってそう
訴えると、ようやく壱加
は都から手を離した。
「ちっ、命拾いしたな」
「ちょっ……兄ちゃん、
何する気ぃやったん!?」
恐々とした表情で壱加を
見つめながら、都は徐に
双肩をさすった。
その様子を横目に入れた
壱加はさもつまらなさそ
うに吐き捨てた。
「別に。けど、どちらに
してもこれだけの奴らに
迷惑かけたんだから事情
を説明するのは当然なん
じゃねぇの?」
それを受けて都は目を見
開き周囲を一瞥した後、
次第にうなだれた。
「……………そうやね」
どこか寂しそうに呟いた
都は、静かに当時の出来
事を語り始めた。
――時は3年前に遡る――
無理矢理車に押し込めら
れた都は始めこそ激しく
抵抗したものの、周囲が
見慣れない景色になるに
つれて、徐々にその動き
を弱めていった。
『……何でウチがこんな
ことされなアカンっちゅ
うねん!!これでもこの13
年間、清く・正しく生き
てきたつもりやのに!!』
あまりにも理不尽な現実
を突き付けられた都は、
思わず唇を噛み締めた。