†Dragon Guardian†
【Chapter.2】決意
守護者になることを決意
してから弥嘉は初めての
朝を迎えていた。
弥嘉がいつも通りに登校
しようとすると、父親が
彼女に手招きをする。
不思議に思いながらも、
弥嘉は彼の元へ行った。
「……何かご用でも?」
すると男は弥嘉の目線に
合わせて屈んだ後そっと
彼女に耳打ちをした。
「――なら……なさい」
「………………えっ!?」
父親のその言葉に弥嘉は
思わず目を見開いた。
***
弥嘉は教室に着くなり、
大きな溜め息をついた。
それを見ていた少女は、
切れ長かつ漆黒の両眼を
弥嘉に向けて一喝した。
「辛気臭いのが移りそう
だからそれ止めて」
「………さなえちゃん」
弥嘉はそれを聞くなり、
紗奈恵に目を向けた。
紗奈恵は、絹の如く長い
黒髪を風に揺らしながら
弥嘉を見つめていた。