†Dragon Guardian†
暫くしてようやく検索を
終えた紗奈恵は、画面に
視線を向けながら突然大
きな声を上げた。
「あ……あったわ!!この
山降りたらすぐみたい」
「じゃあ、せっかくだし
明日行ってみましょ?」
「「「…………はい!?」」」
あまりにも性急すぎる翠
の提案に、残された他の
3人は思わず呆気にとられ
る羽目になった。
「えっと、確か市内とい
ってもお寺や神社しか回
れないはずじゃあ……」
「そうよ!!もし行って何
かあったら、私が班長と
して責任取らなきゃいけ
ないじゃない!!そんなの
絶っ対に嫌だわ!!」
ところがその後、矢継ぎ
早に非難を浴びせられた
翠は、すぐさま彼女達を
真っ直ぐに見据えて先刻
よりも一段階声のトーン
を落とし始めた。
「――ふぅん、紗奈恵っ
てば随分心が狭いのね。
仮にも班長なら、班員の
楽しみを第一に考えて動
くべきなんじゃないの?
弥嘉ちゃんだって、せっ
かく近くに話題のアトラ
クションがあるなら行っ
てみたいわよねぇ?」
「えっ!?えっと……まあ
行けるものでしたら」
口調は実に穏やかである
ものの、言葉の節々から
滲み出る無言の圧力に耐
えかねた弥嘉は、たどた
どしくもそれに同意せざ
るを得なかった。
すると、紗奈恵は盛大に
溜め息をつきながら些か
乱暴に頭を掻きむしる。
「……ああああ~もう、
分かったわよ!!行けば良
いんでしょ、行けば!!」
「ふふ、さすが班長♪」
そうして半ばやけくそに
なった紗奈恵に対して、
翠は徐に目を細めて妖艶
な微笑を浮かべていた。