†Dragon Guardian†
それを聞いた弥嘉は今日
起こった事を思い出し、
次第に涙腺を弛ませた。
「そんな理由で、仲間は
どこかに連れて行かれ、
友達は傷つけられたので
すか?もしそうならあま
りにも酷すぎます……」
そう言って唇を強く噛む
娘を制して男は話した。
「この場合はそうだとは
考えにくい。もし利益が
目的ならば秘密裏に誘拐
でもした方が都合は良い
からな。おそらくは大戦
直後の迫害と同じような
考えなのだろう」
「余所者を排除して国を
守ろうとする……だから
逆戻りなのですね?」
「正解」
弥嘉の無意識的な言葉に
男は素早く反応した。
その時弥嘉はふいにある
疑問を抱いた。
「では……何故本来守ら
れるべき方であるさなえ
ちゃんが傷つけられたの
でしょうか?」
「推測だがドラゴン側と
認識されたからだろう。
ああいう奴らほど、変に
仲間意識が強いからな」
男は呆れた口調で襲撃者
たちに思いを馳せた。