†Dragon Guardian†
その瞬間急に弥嘉の目の
前が真っ暗になったため
足元が覚束なくなった。
「君っ!?大丈夫か!?」
男性はそう言うや否や、
慌てて弥嘉に駆け寄る。
弥嘉にはその声がやけに
遠くで響いた気がした。
***
弥嘉は意識が朦朧とする
中で、転校前の事を思い
出していた。
「これから先、実に様々
な場面で“dragon eyes”
を利用するだろう。その
際必ず守ってほしいこと
が一つだけあるのだが、
何か分かるか?」
「……いいえ」
男は穏やか口調で弥嘉に
問いかけたが、彼女には
分からずじまいだった。
すると先程までと打って
変わり、深刻な面持ちで
男は娘に語りかけた。
「その力を、やたら人に
見せないことだ」
その言葉が、弥嘉の心の
中に重くのしかかった。