†Dragon Guardian†
A班の中には未だ信じられ
ないという空気が漂う。
しかし弥嘉はそれに構う
ことなく静かに目を閉じ
目一杯壱加の名前を心の
中で叫んだ。
『――――壱加様っ!!』
すると、彼女の両眼には
先程とは違う外の景色が
映し出された。
「ええっ……と、これは
倉庫……だと思います。
割と広さがあり……彼の
すぐ傍には、黒ずくめの
スーツを着た男性が……
5人います。また、倉庫の
右手には海が見えます。
外には……白いワゴンが
横付けされていますね」
「くっ、売買目的か!?」
弥嘉の報告に中年男性が
地団太を踏んだ。
それに一瞬顔色を変えた
弥嘉であったがすぐさま
報告を続けた。
「つい先程、堂浜行きの
標識が見えたのでおそら
くはそちらの方面に行っ
たかと思います。あと、
車のナンバーは……稔里
700、た25-37です」
それを聞くや否や、中年
男性はA班の面々を指差し
ながら指示を与えた。
「お前は堂浜付近の倉庫
洗い出せっ!!あとお前は
警察に連絡してワゴンの
居場所を特定しろ!!後の
連中はB班から武器を受け
取り次第すぐ堂浜方面に
向かい、周辺の港全てを
完全に封鎖しておけ!!」
彼の厳格な声が、班全体
の志気を急速に高めた。