ティッシュをゴミ箱に放り投げ、新しいティッシュをしく。

8枚も重ねたティッシュが真っ赤に染まったところで、致死量には至らない。

僕はガーゼに消毒液を振り掛けて左腕を拭いた。

滲みた、気がした。
無表情の僕は腕に軟膏を薄く塗る。

新しいガーゼを当て、テープで止める。
剃刀じゃないのにガーゼに滲むアカ。

「切りすぎた」

ボソッと呟き僕は包帯を腕に巻く。



そして、やっと薄く笑う。

これで、明日も笑える。

優等生の僕でいられる。

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