彼は甘くてほろ苦い
家に帰るまでの道、隼人といろんな話をした。
今日あったクラスの面白い奴のこと。
先生のヅラがとれたこと。
隼人が俺の気分を変えようとして、面白い話をした。
本当に隼人には感謝だな。

いろいろ話してたらあっという間に家に着いた。

「ただいま･･･」
俺は小さい声で言った。
「兄貴どうしたの?そんな小さい声で･･･」
俺を心配して比呂が言う。
「ちょっとな･･･」
俺がそう言うと比呂は、はっとした顔をして謝った。
「ご･･･ごめん･･･」
俺は首を横に振ってリビングに行く。
隼人が後につづき、その後ろに比呂がつづく。
比呂は顔を下に向けたままでいた。

「おかえり～!!今日はハンバーグよ♪･･･どうかしたの?」
由紀が笑顔で言いかけた。
けど俺のせいでそんな空気もぶち壊し。
なんで俺はこうなんだろう。
俺は家族まで嫌な思いをさせて･･･


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