彼は甘くてほろ苦い
「夏希。あのね、あたし・・・「知ってるよ。」・・・え?」
「だから、あんたが結婚してるの知ってるって言ってんの」
あれ?
あたし誰にも言ってないのに・・・。

「実優んちに電話かけたらおばさんが出て教えてくれたのよ。けどあたしは実優から直接聞きたかったから何も言わなかったの。すっごい待ったんだよ?親友にはなんでも1番に言いなさい」
夏希ぃ・・・
「ごっごめんねぇ・・・」
「いいから泣き止みなさいよ」
夏希はあたしの頭を撫でてくれて。
まるでお姉ちゃんのようだった。

「あのね、実はまだ相談があるの。夏希なら経験してるから相談しやすくって・・・」
本題はここから。
「まさか子供できたとか!?」
・・・そのまさかである。
この前裕との離婚危機のときにあたし達は結ばれた。
それからあたしは「女の子の日」が来ていない。

でも誰にも相談できなくて・・・。
もちろん裕にも。
自分でちゃんと言おうと思ってるんだけどそのときになると言えなくて。

「その・・・生理がきてないの・・・。吐き気とかすごかった時期もあって…」
「あんた今保険証とお金持ってる?」
「いつも保険証は財布の中に入ってるから両方あるよ?」
「病院行くよ」
「びょっ病院!?!?」
「ちゃんと見てもらうの!!そんで、今日病院行って言われたことをそのまま裕くんに言う。ちゃんとしなさいよ!!」
母親になった夏希はまた一段と強くなった気がする・・・。

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