美人薄命


マグカップ越しに伝わる温かさと椅子の安心感に涙が出そうになるのを必死で堪える。


春人くんは私に背を向けて椅子を造っているようだった。


「何があったか知らねーけど…
我慢すんなよ。」


その言葉にせっかく堪えた涙が簡単に流れた。


「グスッ…リーダーに選ばれて、今日プレゼンがあって、でも私のせいで失敗して、
ずっと不安で、リーダーなんて向いてないって、人前に出るの苦手だし、自信なくて、それが周りに伝わっちゃって…グスッ」


泣きながら話したから自分でも何言ってるから分からなかった。

でも言葉にして分かった。
やっぱり私にリーダーは向いてなかったこと。
自分のせいで皆で作り上げた企画を駄目にしたこと。

後悔と悔しさを感じていた。



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