美人薄命
「あれ?まだやってたんですか?」
「え?あ…うん。」
小池くんに声を掛けられ顔を上げると、フロアには人は居なくなってた。
「根詰め過ぎると身体壊しますよ?」
「うん、もう帰るとこ。」
丁度キリが良かったので、帰ることにした。
「小池くん、お疲れ様。」
挨拶して横を通る。
「うわっ!?」
腕を急に掴まれた。
これが…デジャブってやつか。なんて声とは裏腹に頭は落ち着いていた。
「そんな逃げなくてもいいでしょ、美人先輩。」
「え…いや、そんなつもりは…あはは。」
これはブラック小池だ。
前回のは冗談じゃなかったんだ。
愛想笑いをしながら徐々に出口へ下がる。