美人薄命


けど、小池くんもついてくる。


振り返って走る?
でも何かされた訳でもないし…とりあえず廊下に出れば


「あ…」


「行き止まりですね♪」


真っ直ぐ来たつもりが壁際に来てしまった。


「あはは…」


にっこり笑顔の小池くんにつられて私も笑う。


「美人先輩。」


「わ、私何かしたかな?」


「いえ、何も?

ただ…美人先輩見てるとイジメたくなるだけです。」


「へ…?」


何?イジメたくなるって…
ブラック小池はどSなの!?


「今日は逃げないで下さいね?」


いつものアイドルスマイルでそう言うと、手首を掴まれて身動きが取れなくなる。


「あの…ちょっと離して…」


私の言葉なんて聞こえてないかのようにゆっくりと小池くんの顔が近付いてくる。


顔を背けて精一杯の抵抗をする。



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