美人薄命


家に帰り、改めてボックスを眺める。

ノコギリも満足に使えなかった私に無口な春人くんらしく手取り教えてくれて、一緒に買い物にも行った。


「可愛い…。
やっぱりこれにして良かった。」


翡翠色の取っ手に手を触れる。


春人くんのマグカップと同じだからという理由で選んだけど、彼に最後に仕上げてもらったことでよりこの取っ手が似合った気がした。

なにより春人くんと一緒に造ったんだって証になった。


一緒に造って前よりも春人くんの事が分かった気がする。



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