美人薄命

雨雲



休日。


私はいつものお昼ご飯とコーヒー豆を手にお店へと向かう。


結局、お礼としていいのが思い付かなかった私はいつも春人くんがコーヒーを飲んでいるのを思いだし、コーヒー豆にした。


「気に入ってくれるといいんだけど…」


不安を感じつつも扉を開く。


「こんにちは。」


「あぁ。じゃコーヒー入れる。」


「あっあのコーヒー買ってきたの!」


いつものようにコーヒーを入れる春人くんに慌てて買ってきたコーヒーを差し出す。


「ん…?」


「ボックス造るのとか色々お世話になったから!その…嫌いじゃなかったら…」


何故だか判らない彼に説明するも自信のなさに語尾が尻つぼみになってしまう。


「ありがとう。じゃ早速これで。」


笑顔を見せる春人くんに一安心する。


直ぐに部屋の中はコーヒーの香りでいっぱいになり、私は深呼吸する。


私が食べる準備をしていると春人くんがコーヒーを持ってくる。


「あれ?いつものマグカップじゃないね?」


春人くんのカップはいつもの翡翠色だけど私のは白いやつじゃなくて水色のもの。


「それターコイズ。」


「ターコイズって…アメリカ行った時に買ってきてたやつ?」


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