美人薄命
私は今、マグカップを手にして街を歩いています。
すれ違う人が興味深そうに見てるけど、そんなのどうでもいい。
早く芽衣の店に行って、今見た光景を整理したかった。
「芽衣!」
「あっミトいらっしゃい♪」
「ミトちゃん、いらっしゃい。」
ドアを開けると芽衣と陽平さんがいつものように迎えてくれる。
少し落ち着いた。
「明日香も来てるよ〜。って何でマグカップ持ってるの?」
「あ…。」
そこで周りの目が変だった理由がわかった。
「6000円で買った。」
「は?マグカップ1個が6000円?騙されてるんじゃないの?」
芽衣の声に明日香も興味深そうにマグカップを見る。
「何処にでもありそうだね。」
「ミトちゃんそれ見せて。」
陽平さんがマグカップを手にして底を見ている。