美人薄命
「これアンティークものだから値段は妥当だよ。」
「これが?」
芽衣が疑うように陽平さんを見る。
「ミッドセンチュリーといわれてる1950年代頃のやつだよ。
俺も好きでいくつが持ってるし、店でも使ってる。」
「えっそうなの?」
「何で芽衣が知らないの?」
すかさず明日香が突っ込む。
「家にもカップがあるの知ってたけど、アンティークのだなんて知らなかった。
陽くん教えてくれないんだもん!」
「聞かれなかったし?
でもそれ色んな種類があるんだけど、ミトちゃんに似合ってるよ。」
「あぁ、お店の人もそう言ってた。」
「で、あんたが慌ててたわけはマグカップのこと?」
そうだ、マグカップなんかどうでもいい!
騙されてなかったのは良かったけど。