美人薄命
そこに居たのは、沙織さんだった。
「ふふっまた会いましたね。」
相変わらず綺麗な微笑みに見とれてしまう。
「良ければお茶でも行きませんか?」
「えっ!?…は、はい…」
「じゃ行きましょう。」
何がなんだか分からずにただ沙織さんの後をついて近くのカフェに入り、彼女はミルクティーを、私はコーヒーを注文する。
何を話せばいいのか分からずに戸惑っていると、沙織さんが口を開く。
「…この前はごめんなさい。
恥ずかしい所見せちゃって。」
恥ずかしそうに笑う彼女を見て、あの日の涙を思い出した。
「いえ…。」
それ以上は言葉が出てこなかった。
タイミングを計ったように注文した飲み物が届いた。