美人薄命


謙太をお店で見たこと。
…可愛い女の子と一緒だったことを話した。


「二股かー。」

芽衣がすぐに答えを出してくれた。


「まだそうと決まった訳じゃ…」

明日香がフォローしてくれるけど、こうなった彼女は止まらない。


「だって別れてから早くない?
二股じゃないにしても、ミトと彼女を比べて彼女を選んだってことだよね。」

「ちょっと芽衣…」

「結局謙太も可愛くて守ってあげたいような女が好きだったって訳か。
あんたも"名前"に捕われてないでたまには可愛く甘えないと駄目よ〜。」


とどめを刺された。
もう今のは深々と刺さった。


「ごめんね。これ良かったら飲んで。
ほら、芽衣今日は忙しいからお店手伝って。」

そう言って陽平さんがさっき話してたアンティークのマグカップに温かいカフェラテを入れてくれた。
芽衣は渋々戻っていく。


私は陽平さんがくれたカフェラテを一口飲んだ。
ほのかに甘くて、温かくて今日見たことも全て癒してくれるみたいだった。
同時にインテリアショップの椅子に座った時の安心感を思い出した。



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