美人薄命
「どう?」
「凄い…」
「それ賞とったんだ。」
「え…あっごめん!勝手に座っちゃって。」
そこでやっと春人くんが部屋に来てることに気付いて椅子から立ち上がった。
「って賞?」
「いいよ、座って。
小さなデザイン展だけど。」
そんな賞をとった椅子に座るのは気が引けてそのまま立っていた。
「凄いね!何処かに展示されてたの?」
「まぁ。今日戻ってきたとこ。」
「そっか、展示されてるの見たかったなぁ!」
美術館のようにこの椅子が展示されているのを想像しながら、しゃがんで触れてみる。
「お前には座って欲しかったから。」
「えっ。」