美人薄命


「それカフェラテって名前なんだ。」


「カフェラテ…?」


「言ってたろ?カフェラテみたいにホッとする部屋にしたいって。」


「あ…うん。」


レザーの椅子を買いにきた時の事を思い出した。

あの時はカフェラテを飲んだ時みたいにホッとして安心できる部屋がいいって言ったんだっけ。


「お前見てたらこの椅子が出来た。」


真っ直ぐな彼の瞳に言葉が出てこなくなる。


「お前見てると色んな椅子のイメージが浮かんで無性に造りたくなるんだ。」

「だからこの椅子はお前に。」


「えっ?」


「と言いたいとこだけど…」


「ふふ、びっくりさせないでよ!」


「こっちがお前の。」



< 197 / 203 >

この作品をシェア

pagetop