美人薄命


翌日。

「えっない!何で!」

バッグの中を全て出す勢いで探す。


「すいません、後ろが詰まっているのでこちらへ。」

警備員に促されながらもバッグの中を探しつづける。


「…駄目だ、見付からない。」



一先ず仮の社員証を貰い、再発行してもらうことになった。
朝から疲れてしまった。


「朝からグッタリしてんじゃねーよ。」

少し乱暴な言葉遣いと共にコーヒーが差し出される。


「隆司くん、ありがとう。」


彼は長谷川隆司、私の同期で会社では仲が良いというか…


「シケた顔してるから男に振られるんだよ。」


「な…!?」


何故か勘が鋭くて、こんな風に痛いとこをついてくる油断ならない奴。


「また図星か〜♪」



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