美人薄命


上機嫌にそのまま自分のデスクへと戻っていった。
深く聞かれないだけでも有り難い。


「先輩〜♪振られちゃったんですかぁ♪かわいそぉ♪」


この甘ったるい声は、後輩の藤崎百合。


「何か楽しそうに音符が見える…」


「えっ何か言いましたぁ?」


「いや、何も。」


「先輩もう30歳なんだから幸せになって下さいね♪」


「まだ28歳!」


「あっすみませ〜ん♪
そうだ、お茶頼まれてたんだ♪先輩失礼しま〜す♪」



さっきよりもさらに疲れつつも、気を取り直して仕事を始めた。



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