美人薄命


「じゃ、私そろそろ帰るね。」


明日香が立ち上がる。
それにつられるように私も席を立つ。


「あっじゃ私も一緒に。」


「なら白井くん、ミト送ってってあげてよ!」


「は?」
「え?」


私と急に話を振られた春人くんは同時に声を上げた。


「最近この辺不審者出たみたいだし心配でしょ〜♪」


知ってる。
この楽しそうに話す芽衣を私は知ってる!
これは嘘だ!


「いや、明日香と帰るから大丈夫!」


「ふふっ私はタクシーで帰るから。」


きっと明日香も芽衣の嘘に気付いてる。


「じ、じゃ私もタクシーで!」


「近距離でタクシーなんて迷惑よ!」


「で、でも…春人くんに迷惑かけるよりはいいでしょ!」


「…俺は別に。」


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