美人薄命
仕事が一段落したので休憩室に向かっていると、急に腕を引かれた。
「なっ!?」
突然の事にバランスを崩し、壁に頭をぶつける。
「った…。」
「鈍臭さ。」
顔を上げると、
「小池くん?」
さっき公園で見た冷たい表情の小池くんがそこに居た。
「ど、どうしたの?」
質問には答えず、私の顔の横に手をつく。
「さっき見てましたよね?」
「へ?」
自分でも情けないくらい間抜けな声が出た。
「公園。」
「あっあぁ。見掛けただけだよ?」
「そう。でも黙ってて下さいね?」
「え…うん、分かった。」
別に隠すような事でもないのに。