池に沈みしモノ
―まだ同属とやり合うには、こちらの分が悪い。引かせてもらうよ―

「マノンッ!」

カルマは闇に向かって叫ぶも、そこにマノンの気配は無かった。

「…まったく。流石はマカの双子の弟ですね。厄介な存在だ」

カルマは深くため息をつくと、クイナの元へ向かった。

「クイナさん、大丈夫ですか?」

「力をいくらか吸い取られたけど、何とか…。でもカウが…!」

カウはその姿を薄くさせ、すでに犬の形も保っていられない。

「コレは少々危ないですね。クイナさん、カウを影に戻してください」

「分かった」

クイナは頷き、カウを自分の影に戻した。
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