love×like
あたしは馬鹿だ。
聞かなきゃよかった。
瀬名まで気付けた………自分までもが切なくなった…………
『何でその名前知ってんの?』
瀬名は険しい顔をしていた。
『聞こえたの。ごめん……』
瀬名は持ってたボールを鞄に入れて、あたしにキスが出来るくらいにまで近づいてきた。
そして、あたしの背中には壁。
『矢野には関係ねぇよ』
感情のこもってない瀬名の声と顔。
何でかな………――
″関係ない″
その言葉はあたしの心にすごくすごく響いていた…。
初めてだった。
こんなに冷たい瀬名を見たのは………
あたしは言ったの
『教えてよ………』
あたしはね
瀬名がね………
すごく
すごく
好きなんだよ。
それに答えてくれるように、瀬名はきれいな顔を近付けてきた…
そして、あたしの頭をなでながら言った。