love×like




あたしは馬鹿だ。


聞かなきゃよかった。


瀬名まで気付けた………自分までもが切なくなった…………



『何でその名前知ってんの?』



瀬名は険しい顔をしていた。



『聞こえたの。ごめん……』



瀬名は持ってたボールを鞄に入れて、あたしにキスが出来るくらいにまで近づいてきた。

そして、あたしの背中には壁。



『矢野には関係ねぇよ』


感情のこもってない瀬名の声と顔。


何でかな………――


″関係ない″


その言葉はあたしの心にすごくすごく響いていた…。

初めてだった。


こんなに冷たい瀬名を見たのは………


あたしは言ったの

『教えてよ………』


あたしはね
瀬名がね………
すごく
すごく

好きなんだよ。





それに答えてくれるように、瀬名はきれいな顔を近付けてきた…


そして、あたしの頭をなでながら言った。




< 16 / 24 >

この作品をシェア

pagetop