狼執事とお嬢様♡
「行くぞ」
そっとささやかれたその言葉。
一瞬、意味が分からなくて。
数秒置いて理解した私。
『う、うん…』
と、曖昧な返事をした。
チラッと、支葵と海琉を見る…。
うっわぁ…
やばい…かも?
2人は眉間にしわを寄せていた。
ホント、鬼の形相。
そこまで…怒らなくてもいいのにぃ…
怒ってるかどぉかは分かんないけど…。
「穂乃歌」
呼ばれた名前。
右隣にいる婁唯を見る。
引かれた肩と腰。
瞬間、体がフワッと浮いたかと思うと、また姫抱っこ状態。