狼執事とお嬢様♡

『婁…唯……?』


呼びかける私に婁唯は、



「…で……う…よ…」




と、ボソッと何かを言った。




その言葉は、ハッキリと私に届いていなくて。


『何?』



そう聞き返したんだ…。


すると婁唯は、落としていた視線を上に上げ、私を見つめる。





ぶつかり合う視線。





上げられた顔を見て、息を呑んだ。





『婁、唯……?』






婁唯が、泣きそうな顔をしていたんだ―――……






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