狼執事とお嬢様♡
違うわけ、ないでしょう…?
熱のせいで記憶がとんでるわけでもない。
私達は姉弟だ。
その事実は、何年だっても変わらない…はず…。
「穂乃歌は凛城家の1人娘。
俺は…穂乃歌は1歳の時に引き取られた…養子だ。」
『え…?』
何、それ…
そんなの、知らない。
「俺だって、小学校入るまで知らなかった…
でも、樹里さんが、俺にはって…
ゴメンな、俺…穂乃歌には言わないでおくつもりだったんだけど…」
意味、分かんない…
なんで、みんな私に隠して…。
私だって、本当のことを知っていたかった…。
『お母様はいつも勝手…。
婁唯も、そうだよ…。
言わないつもりって…何よ…?
私だって、子供じゃない…。
知りたかったよ、本当の事…。』
いろんな感情が、涙になってあふれ出した。
『婁唯は、家族だよ…?
血はつながっていなくても、婁唯は私の弟だよ…?
その事実は、何年たっても変わらないから…
だから、凛城家じゃないとか、弟じゃないとか…
言わないで、よ……
ずっと家族でいたいよ……』
涙は、止め処なく溢れ出る。