狼執事とお嬢様♡


「ホント、残酷…。」

『え…?』



婁唯まで…

よく、分からない…。


「俺は穂乃歌の弟…。
それは、変わることのない事実か?」

『当たり前よ…ッ…』


急に、頭が…痛くなった。


こんなときに風引いてるとか…ダッサー…私…




「そう、か…。そうだな。
俺達はキョーダイだな。」



婁唯はハハッと笑って見せた。



でも、悲しそうな、切なそうな笑顔で。


見てるほうが、苦しくなった。


「体、大丈夫か?
あのー…何だっけ?俊とかゆーの、呼んでくるから。」

『うん…』



婁唯のアノ笑顔の意味を、生涯ずっと…





知ることはなかった。





< 116 / 363 >

この作品をシェア

pagetop