狼執事とお嬢様♡
『支、葵…』
どうしよう…
どうすれば、何て言えば…いいんだろう…
戸惑うことしかできない私。
そんな私の鼓動はトクントクンとはやく脈打っていて。
「…マジ、ごめんな?
俊に偉そうなこと言っておいてさ…
俺も、俊と同じことしてるし?
ホント、だっせぇー…」
耳元で聞こえる支葵の声。
すごく、すごく…
切なそうな声で。
でもなぜか、愛しく思えた。
『違う、よ…』
口は自然に開いていた。
「は…?」
支葵は、顔を私の正面へ持ってきた。
数分ぶりに重なる視線。
少しだけ、強く脈打った鼓動。
『違うよ…?
俊の時とは、違うの…。』
なんか、よく分かんないけど…
何回も言っちゃうけど…
『嫌じゃ、ないの……。』
私は、支葵の服の裾をギュッと握った…。