狼執事とお嬢様♡


その手の上に、私の手を重ねた。

近づく、顔と顔との距離…。





「俺が狼だって、覚えとけよ?」

『へッ…!?』





フッとからかう様に笑うと、支葵は私にそっとキスをした。


触れるだけの、優しいキス。




「お前は、赤頭巾ちゃんなわけだから。」

『赤頭ずきんッ!?』

「そー♪」



どんな例えですか…?
とりあえず、支葵は狼なことはわかったけどね♪


『じゃぁ、赤頭ずきんゎ狼に恋をしたんだね♪』


私はクスクスと笑って見せた。



『変な話♪』



クスクス笑っている私。


そんな私の頬に、キスを落とした支葵。



『ふぇッ!?』

「俺は狼だから♪
可愛い赤頭巾が隣で笑っていると襲いたくなんの。」

『不意打ちアリですかッッ!』

「俺はしたいときにすんのー」

『横暴ー…』

口をとがらせ笑いながらも文句を言う私に、支葵は言った。




「狼だから、横暴なんだけど?
それから、変態って覚えとけよ?」



スッと伸びる支葵の手…。


< 131 / 363 >

この作品をシェア

pagetop