狼執事とお嬢様♡
その手の上に、私の手を重ねた。
近づく、顔と顔との距離…。
「俺が狼だって、覚えとけよ?」
『へッ…!?』
フッとからかう様に笑うと、支葵は私にそっとキスをした。
触れるだけの、優しいキス。
「お前は、赤頭巾ちゃんなわけだから。」
『赤頭ずきんッ!?』
「そー♪」
どんな例えですか…?
とりあえず、支葵は狼なことはわかったけどね♪
『じゃぁ、赤頭ずきんゎ狼に恋をしたんだね♪』
私はクスクスと笑って見せた。
『変な話♪』
クスクス笑っている私。
そんな私の頬に、キスを落とした支葵。
『ふぇッ!?』
「俺は狼だから♪
可愛い赤頭巾が隣で笑っていると襲いたくなんの。」
『不意打ちアリですかッッ!』
「俺はしたいときにすんのー」
『横暴ー…』
口をとがらせ笑いながらも文句を言う私に、支葵は言った。
「狼だから、横暴なんだけど?
それから、変態って覚えとけよ?」
スッと伸びる支葵の手…。