狼執事とお嬢様♡
『麻衣、ありがとう♪』

「別に?てゆーか、自覚ナイの?」

笑いながらそういった麻衣。


『自覚って?なんの?』

「だーかーら!自分が美人ってのと、モテるってこと」


美人?モテる?
自覚ってゆーか…
寧ろ私とは縁がないのでは…?


『え…ありえないってば♪』

「天然オジョー様…?」

『てッ…!』



天然って!誰がさッ!


―――放課後―――


『もぉ放課後かぁ~…
 たのしかったなぁ♪学校♪』

帰ってしまうのがもったいないくらい楽しい学校だ♪


『そぉいえば、零クン、会わなかったな…』

朝、会ったきり…。
そんなことを考えながら、学校から校門へ続く長い道を歩く。
無駄に広いッつーの…



「俺が何?」

『へッ!?』


後ろから急に話しかけられたため、間抜けた声が出てしまった。


『れ、零クン!』

「和哉でいい。」

後ろにいたのは、零クンだった…
いや、和哉クンだった


『か、和哉…クン?』

「呼んだ?」

『えッ!違くてッ!会わなかったなぁ、って!』

「何?会いたかったの?」

『ちッ違ッ!』


隣で和哉クンはからかうようにクスクスと笑っている。


「お嬢様、お迎えに上がりました。」


えッ………??
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