狼執事とお嬢様♡
毎日のように聞かれたっけ?
「素敵な殿方はいらっしゃいましたかッ?」
「お嬢様?お好きな殿方はできましたか?」
私が風邪を引いた時だって…
「恋の病でございますか!?」
「早く寝てください!
寝言で絶対好きな殿方の名を…♡」
とかって…
最後のはさすがに無いでしょうね…
妄想激しい人だから困る…
『まぁ、それはいいわ…
蘭さん、お母様にはチョコの話題は避けてもらってもいいかしら…?
適当な理由でもつけてこちらの家にいらして?』
お母様にいろいろ知られると…
面倒…だからね…?
「はい、分かりました!!
明日にでも材料たっくさん持って伺いますね!」
「でわ♪」そう言って強引に切られた電話。
私は携帯の画面を見つめ、ふうぅ…
と、1つため息を吐いて携帯を閉じた。