狼執事とお嬢様♡
「……」
『う、そ…
嘘…だよね…?
だって、私達…ずっと…友達で…』
訳が分からなくて整理の付かない言葉。
それに比例するかのように、ポロポロと零れ出す途切れた言葉。
体が、心が。
和哉君の言葉を否定しているのかもしれない。
ふと、ぶつかり合う、視線。
「俺は1度だって、お前のことを友達として見た事は無かったけどな。
友達だと思ってたのは、お前だけだ…」
和哉君の真っ直ぐな言葉。
真っ直ぐな、瞳―――…
吸い込まれるような黒い瞳、
光と風に、照られて靡かれ揺れる茶髪。
すべてが輝いているように見えたのはきっと、気のせいなんかじゃなくて。
和哉君の気持ちが…
温かくて、率直で。
私にはもったいないくらいだった。