狼執事とお嬢様♡
『ごめん、ね…
でも、私っ…私は…
ずっとずっと、和哉君の友達でいるからッ!』
そんな顔されたら、声掛けないわけにはいかなくなる…
『迷惑とか…たぶん…絶対…掛けると思うけどッ』
精一杯の言葉。
曖昧な言葉だなんて、受け取らないで欲しい。
曖昧に聞こえたとしても…
ちゃんと、そう思っているから。
『それでも、力になりたいって思ってる。
だから、ずっと…私の友達でいて…?』
クラスにいる男子なんかね、話にならないくらいの男なんだよ、和哉君は。
その辺にいるような人、和哉君に比べたら全然ッ!
足元にも及ばないくらいだからッ!
そう付け加えると、少しだけ吹き出した和哉君。
私は、スッと息を吸った。
『離れて、いかないよね…?』
これからも、友達として…
私の傍にいて欲しいって…思ってる。
サァッと、吹いた風。
その風に揺れる私の髪。
でも、そんなふうに私の心は揺れていないよ?
次に吹いた風は、私達を愛でる様に吹いて。
和哉君は、一旦逸らした視線を、私へ向けた。