狼執事とお嬢様♡
『な、なにソレッ!』
「さぁ?どれだろーな?」
クスクスと笑う和哉君。
私は顔を赤く染めて、ただドキドキしていた。
和哉君も…そぉゆーこと言うんだなぁって…思って…
「じゃ、俺教室戻るから。」
『…うん。』
「何?もっと居て欲しい?」
『べ、別にッ!』
意地悪く笑った和哉君。
そんな、顔もするんだ…
なんかちょっと、びっくりしたかも…
クールな人かと思ってたから…。
「じゃぁな。」そう言って私の横をスッと通り過ぎる和哉君。
通り過ぎると同時に、私は後ろを振り向き目で和哉君を追う。
数秒の間をおいて、顔を少し後ろに向けた和哉君。
不意にぶつかり合った視線。
でもそれも、ほんの一瞬のことで。